自分だけがわかっている話

話下手な人の話は、「この前、山に行きました」「うちの犬が」というような、細部が省略されてわかりにくい話し方が多いものです。

本人がよくわかっているために、説明のいることだと気付かずに、話を進めてしまいますから、相手は「なんのことだかわからい」ということになってしまいます。

「山へ」ではなくて「去年の10月に、紅葉のすごく綺麗な時期だったので、家族4人で阿蘇山へドライブに行きました」というくらいの話し方をしないと、相手の脳裏に情景が浮かばないものです。

「もう8年も飼っているゴールデンレトリバーという大型の犬なんですけど」というくらいに言わないと相手はわかってくれません。「うちの犬が」ですましてまうのは下手な話し方なのです。

相手はあなたの体験したことを知らないのですから、省略すれば伝わりにくくなるのは当然のことなのです。相手に、状況がわかるように話していくことは「ピクチャートーク」と呼ばれています。絵を描くように話していくことです。ロシアの演出家であるスタニフスキーは「話すということは、相手の心に絵を描くこと」という言葉を残しています。

たとえば、つぎの「時計」を頭に思い浮かべてください。

「これは時計です。数字は赤で、枠は茶色です。長方形で文字盤は白です」

どんな時計をイメージしましたか?おしゃれな腕時計でしょうか?目覚まし時計でしょうか?デジタルの置時計をイメージした人もいるでしょう。人それぞれに違った答えになってしまいました。

時計を詳しく説明したつもりでも、思いつくままに説明したので欠けてまった点があるのです。

「これは掛け時計です。枠は茶色で横長の長方形です。
文字盤は白で数字は赤です」
これならどうでしょう?

外側から絵を描くように順番に説明していけば、相手もイメージしやすくなり、正しく伝わるということです。

話下手な人は、話そのものが下手なのではなくて、説明しないといけないことを省略して、説明しなくてもいい部分を細かく話すというような技術的な面が問題でもあります。「わかりやすい話し方のコツ」をつかみ「話の組み立て方」を考えるようにしましょう。

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